有給休暇は入社何ヶ月から取れる?付与のタイミングを解説
2026年8月31日 公開 ・ 約6分で読めます
有給休暇は「入社何ヶ月から」取れるのか、法律上のルールと最初に付与される日数、パートや試用期間中の扱いまで、求職者が入社前後に知っておきたいポイントをまとめて解説します。
有給休暇はいつから発生する?労働基準法のルール
労働基準法では、雇い入れの日から6ヶ月間継続して勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者に、年次有給休暇を与えなければならないと定められています。つまり有給が発生する起点は「入社日」であり、6ヶ月を経過した時点で自動的に権利が発生します。
この6ヶ月・8割出勤という条件は正社員に限らず、契約社員やパート・アルバイトなど雇用形態を問わず適用される点が重要です。会社が独自に「有給は1年経ってから」といった運用をしている場合、法定基準を下回っていれば労働基準法違反にあたる可能性があります。
入社6ヶ月で何日もらえる?最初の付与日数
フルタイムで働く一般労働者の場合、入社6ヶ月時点で付与される有給休暇は10日です。以降は勤続年数に応じて日数が増え、1年6ヶ月で11日、2年6ヶ月で12日というように、勤続6年6ヶ月で年20日に達するまで段階的に加算されていきます。
8割出勤の判定は、業務上の負傷による休業や産前産後休業、育児・介護休業などの期間は出勤したものとみなして計算します。一方、無断欠勤や私傷病による長期欠勤が多い場合、8割を下回り有給が発生しない年が生じることもあるため注意が必要です。
パート・アルバイトの有給休暇(比例付与)
週の所定労働日数が少ないパート・アルバイトにも有給休暇は付与されます。週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の場合は「比例付与」という仕組みが適用され、週の労働日数に応じて付与日数が調整されます。
例えば週3日勤務の場合、入社6ヶ月時点で5日、週2日勤務の場合は3日というように、フルタイムより少ない日数が法定の下限として付与されます。求人票や労働条件通知書に有給休暇の付与条件が明記されているか、応募前・入社前に確認しておくと安心です。
試用期間中でも有給休暇は取れるのか
試用期間は法律上、有給休暇の算定において特別扱いされません。試用期間も「雇い入れの日」からの継続勤務期間としてカウントされるため、試用期間中に6ヶ月が経過すれば、その時点で有給休暇の権利は発生します。
一方で、6ヶ月経過前の試用期間中は法定の有給休暇はまだ発生していないのが原則です。企業によっては入社日から一定日数を独自に付与する制度を設けている場合もあるため、こうした運用があるかどうかは、就業規則や入社時のオリエンテーション、オンボーディングの案内で確認するとよいでしょう。
有給休暇の繰り越しと消滅時効
付与された有給休暇の請求権には2年の消滅時効があります。使いきれなかった有給は翌年度に繰り越すことができますが、繰り越し分も含めて2年を過ぎると権利は消滅する点に注意してください。
また2019年の法改正により、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対しては、企業側に年5日の取得を確実にさせる義務が課されています。取得が進んでいない場合、会社側が時季を指定して取得させることもあります。
転職・中途入社の場合の注意点
転職によって新しい会社に入社した場合、前職の有給休暇は原則として引き継がれません。新しい会社での勤続期間はゼロからカウントされ、改めて6ヶ月・8割出勤の条件を満たした時点で有給が発生します。
内定から入社までの間に有給の付与時期について不安がある場合は、内定通知後や入社前の面談で、就業規則上の有給休暇の起算日や付与条件を確認しておくと、入社後のミスマッチを防げます。
入社直後に休みたいときの現実的な対応
有給休暇が発生する前でも、会社の判断で無給の欠勤や、就業規則に定めがあれば特別休暇・慶弔休暇などの制度を使える場合があります。冠婚葬祭や通院など、どうしても休みが必要なときは、まず直属の上司や人事担当者に相談するのが現実的です。
入社後すぐに有給を使いたい事情がある場合は、選考段階や内定後の面談で正直に伝えておくと、入社日の調整や特別休暇の案内など、企業側も対応を検討しやすくなります。
この記事のまとめ
- 有給休暇は入社日から6ヶ月継続勤務し、8割以上出勤すると発生する(正社員・パート問わず)
- フルタイムの場合、最初の付与日数は10日。以降は勤続年数に応じて段階的に増える
- 週の労働日数が少ないパート・アルバイトには「比例付与」という形で日数が調整される
- 試用期間であることを理由に有給取得を制限することはできないが、6ヶ月未満はそもそも法定の有給が未発生
- 有給の請求権には2年の消滅時効があり、繰り越しても使い切れないと消滅する