育児休業給付金はいくらもらえる?計算方法と支給期間
2026年8月31日 公開 ・ 約7分で読めます
育児休業給付金は、育休中の生活を支える雇用保険からの給付である。支給額の計算方法、給付率が67%から50%に変わる仕組み、支給期間の延長要件、そして2025年からの新しい上乗せ制度までを、求職者・転職者向けに整理して解説する。
育児休業給付金とは何か
育児休業給付金は、雇用保険の被保険者が原則1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した際、賃金の一部を補う目的で雇用保険から支給される給付金である。会社からの給与ではなく、ハローワークを通じて雇用保険から支給される点が特徴である。
支給を受けるには、休業開始前2年間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月が12か月以上あることなど、一定の被保険者期間の要件を満たす必要がある。有期雇用の場合は、子が1歳6か月になるまでの間に労働契約が満了することが明らかでないことなど、追加の要件が加わる場合がある。
支給額の計算方法
支給額は「休業開始時賃金日額×支給日数×給付率」で計算する。休業開始時賃金日額は、育休開始前6か月間に支払われた賃金の合計を180で割って算出する額で、賞与など臨時に支払われる賃金は原則含めない。
給付率は、育児休業開始から180日目までは67%、181日目以降は50%である。例えば休業開始時賃金日額が10,000円の場合、最初の180日間は1か月あたり目安で201,000円程度(10,000円×67%×30日)、181日目以降は150,000円程度(10,000円×50%×30日)となる。
なお、休業開始時賃金日額および支給額には上限額・下限額が設けられており、毎年8月1日を基準に見直される。実際の支給額はハローワークが個別に算定するため、上記はあくまで計算方法を示す目安として理解しておきたい。
支給期間はいつまでか
育児休業給付金の支給対象となる休業期間は、原則として子が1歳に達する日の前日までである。保育所に入所できないなど、法律で定められた事情がある場合は1歳6か月まで、さらに事情が続く場合は最長2歳まで延長できる場合がある。
夫婦がともに育児休業を取得する「パパ・ママ育休プラス」を利用すると、要件を満たせば子が1歳2か月に達するまで休業を取得でき、給付金の支給対象期間もそれに応じて延びる。育休の分割取得も可能であり、原則2回まで分割して取得しながら、それぞれの期間について給付金を受け取れる。
産後パパ育休と出生後休業支援給付金
子の出生後8週間以内に取得できる産後パパ育休(出生時育児休業)を利用した場合は、通常の育児休業給付金とは別に「出生時育児休業給付金」が支給される。給付率や計算方法は通常の育児休業給付金と同様の考え方である。
2025年4月からは、両親がともに一定期間以上の育児休業を取得するなどの要件を満たした場合に、休業開始から28日間を限度に給付率を上乗せし、手取りで賃金相当額に近づける「出生後休業支援給付金」が新設されている。対象となるかどうかは個々の取得状況によって異なるため、詳細は最新の制度情報またはハローワークで確認する必要がある。
申請手続きと必要書類
育児休業給付金の受給資格確認と申請は、原則として事業主を通じてハローワークに行う。初回は「育児休業給付受給資格確認票」と「(初回)育児休業給付金支給申請書」を、母子健康手帳の写しなど育児の事実を確認できる書類とあわせて提出する。
支給申請は通常2か月ごとに行い、対象期間中の就業日数や賃金の支払状況を報告する必要がある。休業中に会社から賃金の一部が支払われている場合は、その金額に応じて給付額が調整される場合があるため、給与担当者との連携が欠かせない。求職者としては、入社前に休業中の申請手続きを会社がどこまでサポートしてくれるかを確認しておくと安心材料になる。
求職者・転職者が確認しておきたいポイント
転職を検討している場合、育児休業給付金の受給要件である「休業開始前2年間の被保険者期間」は転職前の勤務先での加入期間も通算されるが、離職から再就職までの期間や雇用保険の空白期間によって扱いが変わる場合がある。転職を考えている人は、入社時期と育休取得予定時期の関係を事前に整理しておくとよい。
求人票や募集要項を確認する際は、育児休業の取得実績や男性の取得率、時短勤務や在宅勤務などの両立支援制度の有無もあわせて見ておくと、入社後のオンボーディングやキャリア形成をイメージしやすい。給付金の制度自体は全国一律だが、企業ごとの運用や理解度には差があるため、面接時に人事担当者へ具体的な取得実績を質問することも有効である。
この記事のまとめ
- 育児休業給付金は休業開始時賃金日額×支給日数×給付率(180日目まで67%、以降50%)で計算する
- 支給額には上限・下限があり毎年8月に見直されるため、最新の目安はハローワーク等で確認する
- 支給期間は原則子が1歳になる前日までだが、保育所未入所などの事情で1歳6か月・最長2歳まで延長できる場合がある
- 2025年4月から両親がともに育休を取得する場合などに給付率を上乗せする出生後休業支援給付金が新設された
- 転職を予定している場合は、雇用保険の被保険者期間の通算や空白期間の扱いを事前に確認しておくとよい