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採用計画の立て方|人員計画から採用人数を決める手順

2026年8月31日 公開 ・ 約7分で読めます

採用計画は「何人採るか」を先に決めるのではなく、事業計画から必要な人員体制を描き、現有人員との差分で採用人数と時期を決める作業です。人員計画の作り方から採用時期の逆算、試用期間まで含めた実務手順を解説します。

採用計画とは何か、なぜ経営計画から逆算する必要があるのか

採用計画とは、いつ・どの部門に・何人・どのような人材を採用するかを、事業計画と連動させて決める計画である。多くの中小企業では欠員補充のたびに求人を出す「都度採用」になりがちだが、それでは採用時期が事業の繁忙期と重なったり、育成期間を確保できないまま現場に配属したりする問題が起きやすい。

採用計画の立て方の出発点は、売上計画や事業計画ではなく「人員計画」である。今期・来期の事業目標を実現するために必要な人員体制を先に描き、そこから現在の人員との差分として採用人数を導き出す、という順序を守ることが重要である。

手順1: 人員計画を作り、必要人員数を部門・職種別に洗い出す

まず事業計画をもとに、部門別・職種別に「何人体制であるべきか」を一覧化する。営業なら案件数や商圏拡大の計画から必要人数を、製造・現場なら生産量や稼働シフトから必要人数を試算する。

このとき、現時点の在籍人数だけでなく、今期中に見込まれる退職・定年・産休育休などの離脱要因も加味する。人員計画は「増やす計画」だけでなく「抜ける分を埋める計画」でもあるため、離職率や過去の退職実績を参考に一定の余裕を見込んでおくと、計画倒れになりにくい。

手順2: 現有人員との差分から採用人数を確定する

人員計画で算出した必要人員数から、現在の在籍人数と今期中の異動・昇格による配置転換を差し引き、残った人数が採用人数の目安になる。この時点では正社員・契約社員・パート・アルバイトといった雇用形態ごとに分けて算出しておくと、後工程の求人設計や予算配分がしやすい。

新卒採用と中途採用を両方行う会社では、新卒は入社時期が翌年4月に固定されやすい一方、中途は欠員発生から数か月遅れで動くことが多い。採用人数を確定する段階で、新卒枠と中途枠を分けて管理しておくと、年間を通じた採用活動の抜け漏れを防ぎやすい。

手順3: 採用時期を逆算する(母集団形成から内定までのリードタイム)

採用人数が決まったら、入社してほしい時期から逆算して募集開始時期を決める。中途採用の場合、求人掲載から母集団形成、書類選考、面接、内定、内定承諾までに一般に1〜3か月程度かかり、さらに現職の退職手続きや引き継ぎ期間を考えると、内定から入社まで1〜2か月程度を見込む必要がある場合が多い。

職種によって採用難易度は大きく異なる。専門職やエンジニアなど市場での競合が多い職種は、募集開始から入社までのリードタイムを長めに見積もっておくと、採用時期の遅延によって事業計画に穴が空くリスクを減らせる。

手順4: 採用予算と採用手法を人員計画に紐づける

採用人数と時期が固まったら、それぞれの枠に対して採用手法(求人媒体、人材紹介、リファラル採用、ハローワークなど)と予算を割り当てる。手法によって費用構造と採用スピードが異なるため、緊急度の高い枠には即効性のある手法を、時間に余裕のある枠にはコストを抑えた手法を組み合わせるといった使い分けが有効である。

中小企業では採用予算が限られることが多いため、年間の採用計画を一覧化した段階で、どの枠に予算を厚く配分するかの優先順位づけを行っておくと、期中の判断がぶれにくくなる。

手順5: 試用期間・オンボーディングまで含めて計画に組み込む

採用計画は内定・入社で終わりではない。試用期間中の評価基準や、入社後のオンボーディング(受け入れ・育成)体制まで含めて設計しておくことで、早期離職や内定辞退後の再募集といった計画の狂いを減らせる。試用期間は労働基準法上の解雇制限の対象であり、本採用を見送る場合でも通常の解雇と同様の合理的理由と手続きが求められる点には注意が必要である。

また、繁忙期に採用者の教育に十分な時間を割けないと、育成が後回しになり定着率が下がりやすい。人員計画の段階で「育成担当者の工数」も加味しておくと、採用後の立ち上がりがスムーズになる。

手順6: 採用計画は年1回で終わらせず、定期的に見直す

事業計画は期中に修正されることが多く、採用計画もそれに合わせて更新する必要がある。四半期ごとなど定期的なタイミングで、採用人数の進捗(充足数・未充足数)と事業計画の変化を突き合わせ、必要に応じて採用人数や時期を見直す運用が実務的である。

36協定の締結や特別条項の運用状況など、既存人員の残業実態を確認することも、採用計画の妥当性を検証する材料になる。特定の部署で恒常的に残業が発生している場合、それは人員計画上の人数不足のシグナルである可能性が高い。

この記事のまとめ

  • 採用計画は事業計画→人員計画→採用人数の順で逆算して作る
  • 現有人員との差分(離職・異動込み)から採用人数を確定する
  • 母集団形成から内定・入社までのリードタイムを見込んで採用時期を逆算する
  • 試用期間やオンボーディング体制まで採用計画に含めることで定着率が上がりやすい
  • 事業計画の修正に合わせて採用計画も定期的に見直す運用が実務的

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よくある質問

採用計画と採用予算計画はどう違いますか?

採用計画は「いつ・何人・どのような人材を採用するか」を事業計画から逆算して決めるもので、採用予算計画はその採用計画を実行するための費用(媒体費、人材紹介手数料、内定者研修費など)を見積もるものです。採用計画が先に決まり、それを実現する手段として予算計画が続く順序が基本です。

中小企業でも人員計画は必要ですか?従業員数が少なくても作るべきですか?

従業員数が少ない会社ほど1人の欠員が事業に与える影響が大きいため、簡易な形でも人員計画を作る意味があります。部門別の詳細な計画までは不要でも、今期中に必要な人数と時期だけは書き出しておくと、都度採用による採用時期の遅れを防ぎやすくなります。

内定辞退が出た場合、採用計画はどう修正すればよいですか?

内定辞退が発生した時点で、残りの採用人数と当初の入社希望時期を照らし合わせ、再募集の可否とスケジュールを見直します。辞退が発生しやすい時期や理由を記録しておくと、次期以降の採用計画で歩留まりを見込んだ人数設計ができるようになります。

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