内々定通知メールの例文|新卒・中途別の書き方
2026年8月31日 公開 ・ 約7分で読めます
内々定を伝えるメールは、送るタイミングと文面の丁寧さで内定辞退の起こりやすさが変わる。本記事では新卒・中途それぞれの内々定メール例文と、労働条件の伝え方、送付前の注意点を実務目線でまとめる。
内々定と内定はどう違うか
内々定とは、正式な内定通知の前に、企業が候補者へ採用の意思を伝える段階を指す。新卒採用では10月1日の内定式より前に、就職活動の早い時期に「内々定」という形で意思表示を行う商習慣が広く定着している。一方、中途採用では法的な内定式のタイミングがなく、内々定という言葉自体が新卒ほど厳密に区別されず、口頭やメールでの「採用のご連絡」がそのまま内定の意思表示として扱われる場合が多い。
内々定の段階では、労働契約の詳細(始期・労働条件)を確定させる正式な内定通知書や労働条件通知書を別途交付するのが一般的である。内々定メールはあくまで意思表示の第一報であり、その後の正式書面とセットで運用する認識を採用担当者は持っておきたい。
内々定メールを送るタイミングと事前準備
面接後、社内の選考会議で採用が決まったら、できるだけ早く候補者へ連絡するのが望ましい。連絡が遅れるほど、候補者が他社の内定を先に承諾してしまう内定辞退のリスクが高まる。合否判断から1〜3営業日以内を目安に連絡すると、候補者の意思決定を後押ししやすい。
メール送付前には、氏名・部署・配属予定・入社予定日・給与条件など基本情報に誤りがないか必ず確認する。特に中途採用では前職の給与水準や希望条件とのすり合わせが済んでいるかを再確認し、条件面で認識齟齬がないようにしてから通知することが、後のトラブル防止につながる。
電話やオンライン面談で内々定の意思を口頭で伝えたうえで、メールを正式な記録として送る運用も有効である。口頭連絡だけで済ませると「言った・言わない」のトラブルにつながりやすく、書面(メール)を残すことは中小企業にとってもリスク管理の観点から重要である。
新卒向け内々定メールの例文
件名: 【株式会社◯◯】内々定のご連絡
本文:
◯◯様
お世話になっております。株式会社◯◯ 採用担当の◯◯です。
先日は選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。
慎重に選考させていただいた結果、◯◯様に内々定をお出しさせていただきたくご連絡いたしました。◯◯様のこれまでのご経験やお人柄から、当社で活躍いただけると考えております。
正式な内定につきましては、◯月◯日頃に内定通知書および労働条件通知書を郵送にてお送りいたします。内定式は◯月◯日を予定しております。
ご不明点やご相談がございましたら、遠慮なくご連絡ください。◯◯様からのお返事を心よりお待ちしております。
株式会社◯◯ 採用担当
◯◯(氏名)
電話番号/メールアドレス
新卒向けは、就職活動を続けている学生の不安に配慮し、選考理由や期待を添えて丁寧な文面にするのが望ましい。内定式や正式な内定通知書の交付時期を明記しておくと、候補者が就職活動全体のスケジュールを立てやすくなる。
中途向け内々定メールの例文
件名: 【株式会社◯◯】採用内定のご連絡
本文:
◯◯様
お世話になっております。株式会社◯◯ 採用担当の◯◯です。
先日は面接にお時間をいただき、誠にありがとうございました。
選考の結果、◯◯様に内定をお出しさせていただきたくご連絡いたします。◯◯様のご経験・スキルは当社の◯◯業務において即戦力として期待しております。
入社予定日は◯月◯日、雇用形態は正社員、試用期間は入社後3か月を予定しております。詳細な労働条件は労働条件通知書にて別途ご案内いたします。
つきましては、◯月◯日までにご意向をお聞かせいただけますと幸いです。ご質問やご相談があれば、面談の機会も設けますのでお申し付けください。
株式会社◯◯ 採用担当
◯◯(氏名)
電話番号/メールアドレス
中途採用では、入社予定日・試用期間・給与などの労働条件を早い段階で明示し、候補者が現職の退職交渉を進められるよう配慮する文面が実務上役立つ。前職の引き継ぎ期間を考慮し、返答期限にはある程度の余裕を持たせるとよい。
内定辞退を防ぐための一文の工夫
内々定メールに「なぜあなたを選んだか」という具体的な評価理由を一文加えるだけで、候補者は自分が組織にとって必要とされていると実感しやすくなる。テンプレートをそのまま使うのではなく、面接で印象に残った発言やスキルに触れることが、他社との比較検討における差別化につながる。
返信期限を明確に示しつつ、「ご不安な点があればいつでもご連絡ください」といった一文を添えることで、候補者が疑問や懸念を抱えたまま離脱するのを防げる。中小企業では母集団形成に時間とコストをかけているケースが多く、内々定後のフォロー体制まで含めて設計しておくことが採用効率を高める。
内々定メール作成時の注意点
内々定はまだ労働契約が確定していない段階であることが多いが、内容によっては始期付解約権留保付労働契約が成立していると解釈される場合がある。そのため、内定取消しは通常の解雇と同様に厳格な要件が求められる可能性があり、安易な取消しを想定した曖昧な文面や、確定していない条件を断定的に書くことは避けたい。
給与・勤務地・職種など労働条件に関わる記載は、正式な労働条件通知書と齟齬が出ないよう、人事内で最終確認してから送信する。36協定の範囲内の残業時間や休日制度など、就業規則に関わる内容を内々定メールで詳しく説明する必要はないが、質問があった場合にすぐ回答できるよう社内で情報を整理しておくと安心である。
この記事のまとめ
- 内々定メールは選考結果確定から1〜3営業日以内に送ると、候補者の他社比較や辞退を防ぎやすい
- 新卒向けは選考理由や期待を添え、中途向けは入社日・試用期間などの労働条件を早めに明示する
- 内々定段階でも労働契約が成立していると解釈される場合があり、断定的な表現や安易な取消しを前提とした文面は避ける
- 確定していない条件は「別途ご案内」とし、正式な労働条件通知書とセットで運用する
- 返信期限とあわせて相談窓口を明示し、候補者が不安を抱えたまま離脱しないようフォローする