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求人票・募集要項の書き方

求人で年齢制限は書ける?例外事由と年齢不問の書き方

2026年8月31日 公開 ・ 約5分で読めます

求人票に年齢制限を書けるかどうかは、法律で原則が決まっています。本記事では、年齢制限が原則禁止となる理由、例外として認められる6つの事由、そして「年齢不問」の正しい書き方から、意図せず違反になりやすい表現までを、中小企業の経営者・採用担当者の実務目線で整理します。掲載前のチェックにも使えます。

結論:求人の年齢制限は「原則禁止」

労働施策総合推進法(旧・雇用対策法)第9条により、事業主は労働者の募集・採用にあたって、年齢にかかわりなく均等な機会を与える義務があります。2007年の改正で努力義務から義務へと強化され、「35歳以下」「40歳未満」といった上限年齢を無条件に付けることは、原則としてできません。

この原則はハローワークの求人に限らず、自社サイト・求人媒体・折込チラシなど募集全般に及びます。対象も正社員だけでなく、パート・アルバイト・契約社員の募集を含みます。まずは「年齢で母集団形成を絞る」という発想自体を見直すのが出発点です。

認められる例外は6つだけ

年齢制限が許されるのは、労働施策総合推進法施行規則で限定列挙された例外事由に当たる場合だけです。大きく6つあり、(1)定年年齢を上限とする無期雇用の募集(2)法令で年齢制限がある業務(警備・深夜業など)(3)長期勤続によるキャリア形成を目的とした若年者の無期雇用(4)技能継承のため労働者数が特に少ない年齢層に限定する場合(5)芸術・芸能で表現の真実性が求められる場合(6)60歳以上の高年齢者や国の雇用促進施策の対象者に限定する場合、が定められています。

これ以外の理由で年齢を絞ることは認められません。「若い人が欲しい」「長く働いてほしい」といった感覚的な理由だけでは例外に該当しない点に注意が必要です。

中小企業がよく使う例外の実務ポイント

若年者採用でよく使われるのが例外(3)です。長期勤続によるキャリア形成を目的とするもので、職業経験を不問とすることが条件です。新卒だけでなく既卒者も対象にできますが、その場合は新卒者と同等に処遇するなどの要件があります。単に「経験がある若い人」を狙う用途には使えません。

定年制がある会社では例外(1)も使えます。定年60歳なら「60歳未満」を上限条件にできますが、対象は期間の定めのない労働契約(無期雇用)に限られ、契約社員などの有期雇用には使えない点に注意してください。

例外を使うときは「理由の提示」が要る

高年齢者雇用安定法第20条により、やむを得ない理由で一定の年齢を下回ることを条件とする(上限を設ける)場合、事業主は求職者に対してその理由を示す義務があります。求人票や媒体上で、該当する例外事由の番号や理由を明示するのが一般的な運用です。

ハローワークや主要な求人媒体は、例外に該当しない年齢制限の掲載を受け付けない運用が一般的です。掲載時に根拠となる例外事由や理由の入力を求められる場合があります。自社の募集がどの例外に当たるかを事前に整理しておくと、掲載時の手戻りを減らせます。

「年齢不問」の書き方と、うっかり違反になる表現

年齢で絞らない募集では、「年齢不問」と明記するのが基本です。一方で「20代・30代活躍中」「若手歓迎」「シニア歓迎」などは、募集条件そのものでなくても、年齢による選別を示唆する表現と受け取られる場合があり、媒体や行政から見直しを求められることがあります。

職場の雰囲気を伝えたい場合は、「幅広い年代が活躍」など特定層に偏らない書き方にします。募集ページの写真や社員紹介で特定の年代だけを載せることも、無意識のメッセージになりうるため、掲載前に見直しておくと安心です。

年齢の代わりに「要件」で伝える

本当に必要なのは年齢ではなく、業務を担える条件であることが多いはずです。体力が要る仕事なら「重量物◯kgの運搬あり」、経験が要るなら「◯◯業務の実務経験3年以上」など、業務内容・スキル・経験で具体的に書けば、年齢に頼らず狙った母集団形成ができます。

あわせて、入社後の育成計画やオンボーディングの流れを示すと、経験の浅い応募者の不安を下げ、内定辞退の抑制にもつながります。年齢で入口を狭めるより、要件と受け入れ体制を明確にするほうが、結果的にミスマッチを減らせる場合があります。

公開前チェックリスト

掲載前に次を確認しましょう。(1)上限・下限年齢を書いていないか、書く場合は例外事由に該当するか(2)「若手」「シニア」などの示唆表現が混じっていないか(3)例外を使う場合、理由と根拠を提示できるか(4)年齢の代わりに業務要件で書けているか(5)性別・国籍など他の差別的表現が入っていないか。

判断に迷う場合は、管轄のハローワークや都道府県労働局の窓口に相談すると、掲載可否や表現の妥当性を確認できます。制度の詳細や運用は改正される場合があるため、最新の情報を確認したうえで判断してください。

この記事のまとめ

  • 求人の年齢制限は労働施策総合推進法で原則禁止。上限・下限年齢を無条件に書くことはできない。
  • 認められる例外は施行規則が定める6つの事由のみで、感覚的な理由では該当しない。
  • 例外を使う場合も雇用形態や条件の要件があり、求職者への理由提示が一般に求められる。
  • 募集では「年齢不問」と明記し、「若手歓迎」など年齢を示唆する表現は避ける。
  • 年齢の代わりに、業務内容・経験・スキルなど具体的な要件で募集条件を書く。

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よくある質問

「20代活躍中」と求人に書くのは違法ですか?

「20代活躍中」は募集条件としての年齢制限ではありませんが、年齢による選別を示唆する表現と受け取られる場合があり、求人媒体や行政から修正を求められることがあります。職場の実態を伝えたい場合は、「幅広い年代が活躍」など特定年代に偏らない表現にするのが無難です。

経験者に限定するのは年齢制限になりますか?

「実務経験3年以上」などの経験要件は、年齢そのものを条件にしていないため、原則として年齢制限には当たりません。ただし経験年数を過度に長く設定すると、結果的に特定の年齢層を排除しているとみなされる可能性があるため、業務に本当に必要な範囲にとどめるのが安全です。

例外事由に当てはまれば、上限年齢は自由に決められますか?

いいえ。例外ごとに対象となる雇用形態や条件が決まっています。たとえば定年を上限とする例外は無期雇用が対象で上限は定年年齢まで、若年者のキャリア形成を目的とする例外は職業経験を不問とすることが条件です。条件を満たさない年齢設定はできず、上限を設ける場合は求職者に理由を示す義務が一般にあります。

「年齢不問」と書けば幅広い年代が応募してきますか?

「年齢不問」は応募機会を広げますが、それだけで幅広い年代が集まるとは限りません。募集ページの写真や表現が特定層に偏っていると印象が固定されます。業務内容や求める経験・スキルを具体的に示し、育成体制も伝えることで、狙った層からの応募につながりやすくなります。

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