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求人票・募集要項の書き方

求人票の「みなし残業」の見抜き方|給与欄で確認すべき点

2026年8月31日 公開 ・ 約5分で読めます

求人票の給与欄に「みなし残業代を含む」とあるとき、内訳を正しく読めないまま応募すると、想定していた給与や労働時間とのミスマッチにつながる場合がある。本記事では、基本給・みなし残業代・対象時間数の確認ポイントと、求人票だけで判断できないときの質問の仕方を解説する。

「みなし残業」「固定残業代」とは何か

みなし残業(固定残業代)とは、あらかじめ一定時間分の時間外労働に対する割増賃金を月給や基本給に組み込んで支給する仕組みである。実際の残業時間が想定時間に満たなくても、その分の賃金は減額されないのが基本的な考え方である。一方で、想定時間を超えて残業した場合は、超過分の割増賃金を別途支払う必要がある。

この制度自体は違法ではなく、多くの企業が導入している。ただし求人票での表記が不十分だと、求職者が「基本給がいくらで、残業代がいくらなのか」を正しく把握できないまま応募してしまう場合がある。求人票の給与欄を読む際は、総額表示だけでなく内訳に注目することが見抜き方の第一歩となる。

給与欄でまず確認する3つの数字

みなし残業を含む求人票では、少なくとも次の3点が明記されているかを確認したい。1つ目は基本給(みなし残業代を含まない額)、2つ目はみなし残業代の金額、3つ目はその金額に対応する時間数である。例えば「月給25万円(うちみなし残業代3万円/20時間分を含む)」のように、内訳が分解されて書かれているかが目安になる。

総額のみが大きく表示され、内訳が小さい文字や別項目に押しやられている求人票は注意が必要である。厚生労働省の職業安定法に基づく指針でも、固定残業代を採用する場合は基本給とみなし残業代を区別して明示し、対象時間数を示すことが求められている。内訳が読み取れない求人票は、この基準を満たしていない可能性がある。

「超過分は別途支給」の記載があるかを見る

みなし残業時間を超えて働いた場合、超過分の割増賃金を追加で支払う旨が明記されているかも重要な確認点である。この記載がない、または「一切支給しない」といった趣旨の表現がある場合、法律上の義務に反する運用をしている可能性があるため、面接時に確認したほうがよい。

36協定(時間外労働・休日労働に関する労使協定)の締結・届出状況とあわせて、みなし残業時間の設定が実態と乖離していないかも見るとよい。設定時間が月45時間に近い、あるいはそれを超えるような水準になっている場合は、常態的な長時間労働を前提とした設計になっている可能性があるため、慎重に検討したい。

求人票だけで判断できないときの確認方法

求人票の記載だけでは内訳や時間数が判然としない場合、応募前や面接の場で「基本給とみなし残業代の内訳」「みなし残業時間」「超過分の支給有無」を具体的に質問することが有効である。回答が曖昧だったり、その場で数字を出せなかったりする企業は、給与体系の運用自体が整理されていない可能性がある。

内定時に交付される労働条件通知書には、みなし残業代の内訳や時間数が明記されているはずである。求人票の記載と労働条件通知書の内容に食い違いがないかを、内定承諾の判断材料として突き合わせることも有効な確認方法である。

みなし残業自体は必ずしも悪条件ではない

みなし残業は、想定時間内であれば残業時間の多寡にかかわらず一定額が支給される仕組みであるため、実際の残業がみなし時間より少ない働き方をする人にとっては、実質的な割増分を得られる制度ともいえる。制度の有無そのものを一律に敬遠する必要はない。

重要なのは、内訳の透明性と、超過分の取り扱いが明確であるかどうかである。基本給が著しく低く設定され、みなし残業代で総額を底上げしているだけの求人票では、賞与や退職金の算定基礎となる基本給が低くなる場合もあるため、給与総額だけでなく基本給の水準も確認しておきたい。

見抜き方チェックリスト

求人票の給与欄を見る際は、次の点を順に確認するとよい。基本給とみなし残業代が金額で分けて記載されているか、みなし残業代に対応する時間数が明記されているか、超過分を別途支給する旨の記載があるか、みなし残業時間が過度に長く設定されていないか、の4点である。

これらが求人票内で確認できない場合は、応募前に企業側へ質問するか、内定時の労働条件通知書で必ず確認する姿勢を持つとよい。給与欄の読み解き方を身につけておくことは、入社後の給与への不満やミスマッチを防ぐ実務的な備えになる。

この記事のまとめ

  • 給与欄では総額だけでなく、基本給・みなし残業代の金額・対応する時間数の内訳が明記されているかを確認する
  • みなし残業時間を超えた分の割増賃金を別途支給する旨の記載があるかを確認する
  • みなし残業時間が過度に長い(月45時間に近い・超える)場合は、常態的な長時間労働を前提にしていないか注意する
  • 求人票だけで内訳が判然としない場合は、応募前や面接時に企業へ具体的に質問する
  • 内定時の労働条件通知書で、求人票の記載と実際の給与体系に食い違いがないかを必ず突き合わせる

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よくある質問

みなし残業(固定残業代)自体は違法ではないのですか?

違法ではない。基本給とみなし残業代を区別して明示し、対応する時間数を示したうえで、その時間を超えた分の割増賃金を別途支払う限り、法的には問題のない制度として扱われている。

みなし残業時間を超えて働いた場合、残業代はもらえないのですか?

超過した時間分については、別途割増賃金を支払う必要がある。求人票や労働条件通知書に「超過分は別途支給する」旨が明記されているかを確認し、記載がない場合は面接や内定時に確認したほうがよい。

求人票に「みなし残業代含む」としか書かれていない場合はどうすればよいですか?

金額や時間数の内訳が読み取れない場合は、応募前や面接時に「基本給の金額」「みなし残業代の金額と対象時間数」「超過分の支給有無」を具体的に質問するとよい。内定時に交付される労働条件通知書でも必ず確認したい。

みなし残業時間が長い求人は避けたほうがよいですか?

一律に避けるべきとは言い切れないが、みなし残業時間が月45時間に近い、あるいはそれを超える水準になっている場合は、常態的な長時間労働を前提とした設計になっている可能性があるため、実際の労働時間や36協定の内容とあわせて確認することが望ましい。

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