新入社員の目標設定のやり方|立ち上がり期に無理のない目標づくり
2026年8月31日 公開 ・ 約6分で読めます
新入社員に成果目標をそのまま課すと、達成できずに自信を失わせやすい。立ち上がり期は「行動目標」を中心に据え、入社1か月・3か月・6か月で段階を分けて目標を立てる方法と、1on1での伝え方・見直し方を具体例つきで解説する。
なぜ立ち上がり期の目標設定でつまずくのか
新入社員の目標設定は、入社後すぐに完成した成果を求めてしまうと失敗しやすい。業務知識も社内の人間関係もまだ乏しい段階で、既存社員と同じ基準の目標を課すと、達成できずに自信を失わせるだけになる。
立ち上がり期に必要なのは「成果目標」ではなく「行動目標」である。何を何件売るかではなく、何を覚え、何をできるようになるかを目標にすることで、無理のない目標設定が可能になる。
入社1か月・3か月・6か月で目標の質を変える
入社1か月は、業務の全体像を理解し、報告・連絡・相談の基本動作を身につける段階にあたる。この時期の目標は「一人で電話を取り次げる」「日報を自分で作成できる」など、行動として観察できるものにする。
3か月目は試用期間の見極めと重なる時期であり、簡単な業務を一人で完結できるかどうかが目標になる。6か月目には、担当業務の一部を任せられる状態を目指し、成果に近い指標を少しずつ組み込んでいく。
段階ごとに目標の抽象度を変えることで、本人にとっても評価者にとっても「今できていること」と「次にできるようになること」が明確になる。
新入社員でも書ける目標の立て方(テンプレート)
目標は「行動+期限+確認方法」の3点で構成すると、新入社員本人でも書きやすくなる。例えば「入社2週間で、商品カタログを見ずに主要5商品の特徴を説明できるようにする。上長へのロールプレイで確認する」といった形である。
数値目標を使う場合も、成果指標ではなく行動量の指標にとどめる。「新規架電50件」ではなく「先輩の同行架電を週3回見学し、トークの型を1つ習得する」のように、努力すれば到達できる範囲に設定する。
本人だけに立てさせず、上長やOJT担当が一緒に文章化する時間を取ると、目標の粒度がそろい、後の評価もしやすくなる。
目標の伝え方と1on1での確認の仕方
目標を渡すだけでは機能しない。なぜその目標なのか、達成すると本人と会社にとって何が変わるのかをセットで説明することで、新入社員は目標の意味を理解しやすくなる。
週1回程度の短い1on1で、達成度ではなく「詰まっているところはどこか」を確認する運用が現場に定着しやすい。できていない点を指摘する場ではなく、目標を調整する場として位置づけると、本人が相談しやすくなる。
目標が明らかに高すぎる、または業務内容と合っていないと分かった場合は、期の途中でも見直してよい。固定した目標に固執するより、実態に合わせて修正する方が定着支援としては有効である。
目標設定でやりがちな失敗と回避策
よくある失敗は、既存社員向けの評価シートをそのまま新入社員に流用することである。売上や件数などの成果指標が並んでいると、業務を覚えきれていない段階の本人には達成手段が見えず、目標が形骸化しやすい。
もう一つの失敗は、目標を一度立てたら期末まで放置することである。オンボーディングの初期は状況の変化が大きいため、1か月単位など短いスパンで見直す前提で運用した方が、目標と実態のずれを防ぎやすい。
評価者ごとに目標の厳しさがばらつくことも問題になりやすい。簡単なチェックリストやテンプレートを用意し、部署間で目標の粒度をそろえておくと、後の評価トラブルを避けやすくなる。
試用期間の評価と目標設定の関係
試用期間中に立てた行動目標は、そのまま試用期間の評価材料としても使える。ただし、試用期間満了時の本採用可否判断は、目標の達成度だけでなく、勤怠や協調性など複数の観点で見る必要がある。
目標未達を理由に本採用を見送る場合は、目標の内容や達成基準が事前に本人へ明示されていたか、指導・改善の機会を与えていたかが重要になる場合がある。判断に迷うケースでは、社会保険労務士など専門家に確認することが望ましい。
この記事のまとめ
- 立ち上がり期は成果目標ではなく行動目標を中心に設定する
- 入社1か月・3か月・6か月で目標の抽象度を段階的に上げる
- 目標は「行動+期限+確認方法」でテンプレート化すると本人も書きやすい
- 週1回程度の1on1で進捗確認と目標の微調整を行う
- 試用期間の評価に使う場合は達成基準の事前明示と記録が重要